大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和23(れ)1677 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人青山新太郎上告趣意第一点について。

しかし、強盗の謀議は所論のように、強盗の場所、日時、方法等が特定している

ことを要するものではなく、共犯者間に強盗をする意思の連絡があれば足りるもの

である。そこで、原判決の確定した事実によれば被告人と第一審及び原審相被告人

等との間に本件強盗をする意思の連絡があつたことは明らかであつて、右判示事実

はその挙示する各証拠によつてこれを肯認することができるし、その間実験則に反

する違法はない。又強盗の謀議に加つた被告人は、たといその実行行為を分担しな

くとも相被告人等が謀議に基く犯行を実行した以上は強盗の共同正犯たる責を免れ

ることはできない。されは原判決が被告人に対して刑法第二三六条第一項第六〇条

を適用して強盗の共同正犯として処断したのは正当であつて、いささかも違法のか

どはない。所論は結局独自の見解に立つて、原判決の事実認定を非難し擬律の違法

を主張するに帰するものであるから採るを得ない。

同第二点について。

記録によれば原審の昭和二三年六月二四日の公判調書に公判を公開した旨の記載

のないことは、所論の通りであるが、裁判を公開したことを特に調書に明記する必

要のないこと及び公判調書に公開を禁した旨の記載のない限り公判は公開して行わ

れたものと認むべきものであることは当裁判所の判例(昭和二二年(れ)第二一九

号同二三年六月一四日大法廷判決及び同年(れ)第一〇七号同年六月二日大法廷判

決)とするところであつて、所論の公判調書には公開を禁した旨の記載のないこと

も亦明らかなところであるから、論旨は採用することができない。

弁護人桜井紀上告趣意第一点について。

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しかし、証拠の取捨判断は原審の自由裁量に属する事柄であるから原審が所論相

被告人等の公判における供述を採用せずして、司法警察官の訊問調書を証拠とした

からといつて違法だとはいえない。また原判決挙示の証拠を綜合すれば原判示事実

を肯認し得るから原判決には所論の違法はない。所論は事実審たる原裁判所の裁量

権に属する証拠の取捨乃至事実の認定を非難するものにとどまるから、上告適法の

理由とならない。

同第二点について。

しかし、共犯者は被告人本人ではないから所論の共犯者である第一審、及び原審

の相被告人等の司法警察官に対する自白を憲法第三八条第三項にいわゆる被告人本

人の自白に包含せしめる理由はない。しかのみならず原判決は所論相被告人等の司

法警察官に対する訊問調書の他に、被害者の供述や盗難届等の記載をも証拠として

判示事実を認定していることは判文上明らかであるから、原判決には所論のような

違法はない。論旨は理由がない。

同第三点について。

しかし、すでに論旨第一、二点で説明したように原判決は、所論共犯者の自白の

みで被告人の犯罪を認めたものではなく、また証拠の取捨判断は原審の自由裁量に

属し、その採用した証拠によれば原判示事実は合理的疑念を超越してこれを肯認し

得られるから原判決には所論の違法はない。所論は結局原判決の採証を非難し事実

の誤認を主張するものであるから上告適法の理由とはならない。

よつて旧刑訴第四四六条に従い主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見である。

検察官 小幡勇三郎関与

昭和二四年二月一七日

最高裁判所第一小法廷

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裁判長裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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